五代目笑福亭松鶴集 (1971年)
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本の画像は出ないのですが、
ハードカバーで、シンプルに本のタイトルが付いています。
裏表紙は、青蛙房のトレードマーク・蛙のイラスト入り。
古本でしか手に入らない品になってしまいました。
青蛙房さん、文庫本化の予定は無いですか。
『上方はなし』(昭和11年~同15年)掲載の落語速記は、
「笑福亭松鶴」と書かれているものの中に、
五代目松鶴が実際に口演していなかった速記があるそうです。
当時は、上方落語滅亡の危機が迫っていた時代。
色々な事情があったのでしょう。
時代はくだって、昭和46年(1971)。
青蛙房から『五代目笑福亭松鶴集』が出ました。
『上方はなし』から、生粋の五代目松鶴の速記を
引き抜いてきた一冊です。
演目は、
・天王寺詣り
・桜の宮
・貧乏花見
・三十石夢の通い路
・次の御用日
・船弁慶
・仔猫
・高津の富
・吉野狐
・鍬潟
・天神山
・三枚起請
・市助酒
・三人兄弟
・尻餅
全15席です。
この速記本(というのだろうか)、
豪華だなあと思うのは、
編者となった露の五郎が、
「五代目笑福亭松鶴小伝」を
書いてくれている点です。
明治後半から昭和前半にかけての落語の歴史が、
五代目松鶴の生涯を通して知ることが出来ます。
これがとても読みやすい。
さらに「演目解説対談」付き。
六代目松鶴、松之助、露の五郎の三人が、
話しながら演目の解説をしています。
演目の解説は硬質な文章になりがちですが、
対談で演目を説明してくれるので、ファンにとっては嬉しいです。
注意しないといけないのは、
「この話、ほんまかな?」
と思う所が極くたまにある点です。小伝では、
四代目松鶴の襲名を明治38年と書いているのですが、
『古今東西落語家事典』では明治40年となっています。
昭和46年に出た古い本だと云うことを
頭の片隅に置いて読んだ方が良いです。
でも、読んでいて本当に楽しい一冊ですよ。
ちょっとした小説(リアリティのある読み物)風になっている小伝と、
速記、そして演目解説対談と、おいしいものが三つ揃ってます。
落語ファン垂涎の…と言い切ってしまいたい逸品です。
おすすめリンク
・スーパー文庫『上方落語』(講談社)
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